AOV-TOP >> 真空装置 >> スパッタリング

真空装置

スパッタ蒸着システム

スパッタリング(Sputtering)とは

スパッタリング(Sputtering)は、基板に堆積させたい材料を、プラズマ中のイオン衝撃を利用して、ターゲットから叩き出す(スパッタリング)現象を利用して、基板に薄膜を堆積させるものです。

スパッタリング現象は2極放電を利用したもので、陰極(カソード)側にターゲットを配置して、プラズマ中でのイオン衝撃で陰極(ターゲット)がスパッタされるものです。

その中でも、マグネトロンスパッタ方式は、真空中の薄膜形成手段として、スパッタ効率が高く、安定なため半導体関連、FPD関連、各種薄膜形成の応用に、金属、絶縁物、誘電体、磁性体薄膜形成などに幅広く応用されています。マグネトロンスパッタは直交電磁界を利用してプラズマを発生させるもので、ターゲット裏側に配置された永久磁石のターゲット表面上での漏えい磁場(B)と、ターゲットに印加する電圧により発生する、垂直方向の電界(E)の作用(直交電磁界)で、 一定の圧力制御されたプロセスガス雰囲気中で密度の高いプラズマ放電を発生します。

マグネトロンスパッタ方式には、RFマグネトロン(RF Magnetron)スパッタとDC(直流)マグネトロン(DC Magnetron)スパッタ方式があります。絶縁材料のスパッタでは、ターゲット表面にチャージアップ(帯電)が生じて、放電が持続しないためにRF印加により、ターゲット表面の除電(ディスチャージ)を行ながら、継続的にプラズマ放電が可能になります。通常は13.56MHzの高周波が用いられます。

金属材料のスパッタでは、RF若しくはDC方式どちらでも放電可能です。一般にRFスパッタの方がDCスパッタに比較してプラズマ密度が高くなりますが、一方基板上への荷電粒子の流入による、温度上昇や、チャージUP現象が起きます。またターゲット材料により、スパッタ効率(スパッタ イールド Sputtering yield)が異なります。 T/S距離(基板とターゲット距離)の最適化が必要になります。またパルスDC印加によるスパッタなど周波数を可変して、薄膜の特性を改良するなど研究がされています。

磁性材料(強磁性材料)のスパッタの場合、ターゲット材料の透磁率が高く、ターゲット表面上での漏えい磁場が弱くなりますので、ターゲット材料厚みを薄くするか、磁石とターゲット位置(M/T距離)の調整など工夫が必要になります。

逆スパッタ原理

基板にDCまたはRF電力を印加(実際には基板ホルダーに印加)し、数100Pa(数Torr)程度まで、Arガスを導入すると、基板と真空容器との間で、グロー放電が発生します。このグロー放電で生じたプラズマと基板との電位差で基板側は相対的に負電位となり、プラズマ中のArイオンがシースの電界に添って基板に衝突します。そのエネルギーで、基板表面上の自然酸化膜や、H2O,C(カーボン)などの汚れを除去して、基板を正常な表面に保つことができ、多くの薄膜に応用が期待されています。プロセスガス圧力を変化させたり、印加電源を変更する事で、プラズマ電位を変化させながら、逆スパッタすることでArイオンの入射エネルギーを変化させることが出来ます。

半導体の微細加工プロセスでは、基板上のスパッタ膜を逆スパッタしながら、しかも同時にスパッタ成膜を行う事で、より微細なカバレッジを確保する事もなされています。逆スパッタを行う事で基板加熱による基板の清浄化以上の効果をもたらす場合もあり、用途に応じて使い分けが必要になります。

留意点としては、1)プラズマ印加エネルギーが高すぎると、基板ホルダー材料をスパッタしてしまい、逆に基板へのコンタミネーションを起す原因ともなりますので、投入エネルギーの調整が必要です。2)とりわけ半導体プロセスなどでは、イオン衝撃、荷電粒子の帯電による“チャージアップダメージ”が発生する場合もありますので、用途によっては注意が必要です。

このような留意点が有りますが、清浄な基板界面上にIn-Situにてスパッタ成膜が行えれば、良好な、膜質の成膜が可能になり、多くの薄膜に応用が期待されています。


当社マグネトロンスパッタの特徴

1)スパッタ材料(絶縁物、誘電体、磁性材料)に合わせた最適な磁場をシミュレーションして、装置に組み込みます。

2)複数スパッタガンと電源(RF,DC)の組み合わせを、タッチパネル上から行い、多層膜の制御が可能です。(ケーブル着脱による手間が省けます)

3)当社独自のスパッタ設計、製造により、お客様の個別の御要求にも対応可能です。(高真空対応、超高真空対応(UHV仕様)など)

4)1インチ、2インチクラスの小型から3KWクラスまでの幅広い ラインナップを有しています。

5)中規模生産用として、1KWから3KWは現場ので連続成膜100H以上の実績を有しています。

6)複数台のスパッタを同時に放電させたときの、相互干渉(周波数ハンチング現象)をなくすための電源回路設計がなされています。

7)基板側への、バイアススパッタとの組み合わせ成膜が可能です。



スパッタリングのPAGEトップへ
真空装置製品一覧
AOVの強み

先端的なレーザー・光学技術と真空技術を融合し、新薄膜生成システム、精密加工システムを仕様用途に応じてカスタマイズすることにより、世界に1台の製品をご提供いたします。

AOVの新着情報
■ 17/02/06

【展示会出展のお知らせ】

2017/3/14(火)〜17(金)までパシフィコ横浜で開催される『2017年 第64回 応用物理学会春季学術講演会』の併設展示ブースに出展いたします。

■ 15/03/05

【展示会出展のお知らせ】

2015/3/11(水)〜14(土)まで東海大学湘南キャンパスで開催される『2015年 第62回 応用物理学会春季学術講演会』の併設展示ブースに出展いたします。

■ 14/06/09

【展示会出展のお知らせ】

2014/9/17(水)〜20(土)まで北海道大学札幌キャンパスで開催される『2014年 第75回 応用物理学会秋季学術講演会』の併設展示ブースに出展いたします。

■ 09/12/10

【NIMNOWの表紙に
 弊社装置が掲載】

独立行政法人 物質・材料研究機構の広報誌、NIMSNOWの表紙にご掲載されました。 NIMSNOW2009年11月号